介護事業者向け補助金、種類が多すぎて迷っていませんか
「補助金を使いたいが、どの制度が自分たちに当てはまるのかわからない」——山梨県内の介護事業者からよく聞く声です。ICT導入・賃上げ・人材確保・施設整備と目的ごとに制度が分かれており、窓口もバラバラなのが実態です。この記事では、山梨県の介護事業者が申請できる主な補助金・助成金を目的別に整理してお伝えします。
最終更新:2026年10月1日時点の情報です。 補助金・助成金の公募期間・補助率・対象経費等は変更される場合があります。申請前に必ず各制度の公式情報をご確認ください。
2026年度 山梨県 介護補助金一覧
| 制度名 | 目的 | 補助率・上限 | 窓口 |
|---|---|---|---|
| 業務効率化事業費補助金 | ICT・DX導入 | 最大4/5・1,000万円 | 山梨県社協 |
| デジタル化・AI導入補助金 | ICT・DX導入 | 枠・規模により異なる・最大450万円 | 中小企業庁(ベンダー経由) |
| 賃上げ・職場環境改善補助金 | 賃上げ | 10/10(全額) | 山梨県長寿社会課 |
| 介護職員等処遇改善加算 | 賃上げ | サービス・区分別に異なる | 介護報酬(自動上乗せ) |
| 人材確保等支援助成金 | 人材確保 | 制度・要件の組み合わせによる | 都道府県労働局 |
| 地域医療介護総合確保基金 | 施設整備 | 定額補助 | 山梨県長寿社会課 |
目的別:山梨県の介護補助金マップ
介護事業者が利用できる補助金・助成金は、大きく4つの目的に分けられます。
ICT・DX導入
介護ソフト・タブレット・見守りセンサー等の導入費用を補助。補助率が最も高く、最大4/5。
賃上げ・処遇改善
職員の給与引き上げや職場環境改善を支援。全額補助や介護報酬加算で収入を増やす制度。
人材確保・定着
採用・定着のための環境整備に助成。雇用管理制度の導入で支給される制度。
施設整備
建物の新規整備・改修、バリアフリー化等の設備投資を補助する制度。
1. ICT・DX導入系
山梨県テクノロジーを活用した業務効率化事業費補助金
山梨県が独自に実施する介護ICT補助金です。国の介護テクノロジー導入支援事業を活用しつつ、県独自の実施要綱に基づき補助しています。
介護業務の効率化による職場環境の向上・職員の負担軽減・介護サービスの質向上を目的に、介護ロボット・ICT機器等の導入経費を補助する。令和8年度は補助率4/5、上限は事業規模に応じて500万〜1,000万円。申請窓口は山梨県社会福祉協議会 介護支援センター(TEL: 055-254-8680)。
- ●補助率: 4/5(80%)
- ●上限額: 500万〜1,000万円(導入内容・施設規模による)
- ●対象費用: 介護ソフト・タブレット・インカム・Wi-Fi整備費・見守りセンサー・導入研修費
- ●対象事業所: 介護保険法に基づく全サービス事業所・老人福祉施設等
- ●申請窓口: 山梨県社会福祉協議会 介護支援センター(TEL: 055-254-8680)
2026年10月時点の募集状況
令和8年度の追加募集(協議受付)は2026年7月31日〜9月4日で終了しています。10月頃に内示、11月頃に交付申請、12月頃に交付決定の予定です。令和9年度分の募集時期については、山梨県・山梨県社協からの最新情報をご確認ください。
デジタル化・AI導入補助金(中小企業庁)
経済産業省・中小企業庁が全国の中小企業を対象に実施する補助金です。都道府県経由ではなく国へ直接申請できるため、山梨県の公募タイミングとは独立して活用できます。介護事業者も対象です。
AIを含むITツール(ソフトウェア・サービス等)の導入を支援する制度。補助率は申請枠・事業者規模等により異なる(通常枠は1/2以内、一定の要件を満たす小規模事業者は2/3以内等)。上限は最大450万円。IT導入支援事業者(ベンダー)との共同申請が必須。
- ●補助率: 申請枠・事業者規模等により異なる(通常枠は1/2以内等)
- ●上限額: 最大450万円
- ●対象: 中小企業・小規模事業者(介護事業者を含む)
- ●注意点: IT導入支援事業者(ベンダー)との共同申請が必須。導入ツール自体も登録済みである必要がある
「補助金が使える=好きなITサービスを自由に導入できる」ではありません。ベンダーが登録済みのツールのみが対象になります。導入を検討する前にベンダーの登録状況を確認することが重要です。
2. 賃上げ・処遇改善系
山梨県介護分野の職員の賃上げ・職場環境改善支援事業費補助金
山梨県が単独で実施している、介護職員の賃金引き上げを支援する補助金です。
賃上げ・職場環境改善に向けた取組を行う介護サービス事業所・介護保険施設に対し補助するもの。補助率10/10。介護予防・日常生活支援総合事業を含む全介護保険サービス事業所が対象。
- ●補助率: 10/10
- ●対象: 介護保険法に基づく事業所・施設(介護予防・総合事業含む)
- ●申請窓口: 山梨県長寿社会課
令和8年度分の申請受付はすでに終了しています。令和9年度の公募情報は山梨県の公式サイトで確認してください。
介護職員等処遇改善加算
補助金ではなく「介護報酬加算」として受け取れる制度です。対象の取り組みを実施することで、毎月の介護報酬に加算が上乗せされます。
2026年6月から加算区分が見直された。加算率はサービス種別・加算区分によって異なり、例えば訪問介護では17.0%〜28.7%の範囲で設定されている。生産性向上への取り組み実績が上位区分取得の要件となっている。
- ●仕組み: 毎月の介護報酬に加算率を上乗せ(サービス種別・区分ごとに異なる)
- ●加算率の例: 訪問介護 17.0%〜28.7%(区分による)
- ●要件: 職場環境等要件・賃金改善要件・生産性向上取り組み(3つ以上)を満たすこと
- ●注意: ICT導入そのものが上位区分取得の唯一の条件ではなく、複数要件を満たす必要がある
処遇改善加算とICT導入の関係
2026年度から生産性向上の取り組みが上位加算区分の取得要件に含まれています。ICT導入はその取り組みの一つになりえますが、加算取得には複数の要件を総合的に満たす必要があります。現在どの区分を取得しているかを確認したうえで、上位区分への移行を検討することをお勧めします。
3. 人材確保・定着系
人材確保等支援助成金(厚生労働省)
採用・定着のための職場環境整備に取り組む事業主に支給される助成金です。雇用保険の適用事業所であれば介護事業者も対象です。
魅力ある職場づくりに取り組む事業主を支援する助成金。雇用管理制度の導入(1制度あたり40〜50万円等)と業務負担軽減機器等の導入(対象経費の1/2・上限150〜225万円等)の組み合わせで支給される。令和8年4月改正で賃上げ要件が3%・5%・7%の3段階に細分化。
- ●支給額: 制度・要件の組み合わせにより異なる(詳細は公式情報を確認)
- ●内訳例: 雇用管理制度の導入:1制度あたり40〜50万円等 / 機器導入:対象経費の1/2(上限150〜225万円等)
- ●対象: 賃金規定制度・人事評価制度・健康づくり制度などの整備+機器導入
- ●申請窓口: 都道府県労働局(ハローワーク)
- ●2026年改正: 賃上げ要件が3%・5%・7%の3段階に細分化。要件達成度により支給額が変わる
4. 施設整備系
地域医療介護総合確保基金(山梨県・介護分)
施設の新規整備・改修など、ハード面の投資を支援する基金です。毎年度、山梨県が要望調査を実施し、翌年度の整備計画をとりまとめます。
介護施設等の新規整備・定員増、プライバシー確保のための個室化改修、介護職員の宿舎施設整備、見守りセンサー等ICT導入、感染拡大防止対策などが補助対象。毎年度、山梨県長寿社会課が要望調査を実施。
- ●対象: 介護施設の新規整備・定員増・プライバシー確保のための個室化改修など
- ●補助方式: 定額補助(施設種別・整備内容による)
- ●申請窓口: 山梨県長寿社会課
2026年10月時点の募集状況
令和9年度分の要望調査は2026年9月30日に締め切られています。今後施設整備を予定している事業所は、次回(令和10年度分)の要望調査に備えて早めに山梨県長寿社会課へ相談することをお勧めします。要望調査に手を挙げないと翌年度の予算に組み込まれません。
課題別:どの補助金を検討すべきか
自施設の課題に合わせて、検討すべき制度が変わります。
| 施設の課題 | 検討する制度 |
|---|---|
| 紙の記録を減らしたい | テクノロジー活用補助金 |
| タブレット・スマホを導入したい | テクノロジー活用補助金 |
| 見守りセンサーを入れたい | テクノロジー活用補助金 |
| 会計・給与ソフトを導入したい | デジタル化・AI導入補助金 |
| 職員の給与を上げたい | 賃上げ補助金・処遇改善加算 |
| 処遇改善加算の上位区分を狙いたい | 処遇改善加算の要件確認+ICT導入 |
| 採用・定着に課題がある | 人材確保等支援助成金 |
| 建物を改修・新規整備したい | 地域医療介護総合確保基金 |
ICT導入費用のシミュレーション例
テクノロジー活用補助金を活用した場合の費用イメージです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 介護ソフト・タブレット等の導入費 | 300万円 |
| 補助率(4/5) | 80% |
| 補助額(概算) | 240万円 |
| 自己負担(概算) | 60万円 |
実際の補助額は、補助対象経費の範囲・施設規模・申請内容によって変わります。 上記はあくまで参考例です。
補助金申請前に確認する5項目
補助金を活用する前に、以下を必ず確認してください。
- 対象事業者か確認する——各制度には対象事業者の要件があります。介護保険法に基づく事業所かどうか、法人格の有無など、自施設が対象に該当するか確認します。
- 導入予定の機器・ソフトが補助対象か確認する——補助金によっては対象となる機器・ソフトの要件があります。山梨県のICT補助金ではTAIS掲載の有無等が関係することがあります。事前にベンダーや窓口に確認してください。
- 公募期間内かどうか確認する——申請期間を過ぎると翌年度まで待つことになります。今年度の公募状況は各制度の窓口で最新情報を確認してください。
- 交付決定前に契約・発注・支払いをしない——これが最も重要です。山梨県のICT補助金では、交付内示前に契約・導入・支払いをしたものは補助対象外と明記されています。補助金を使う場合は、必ず交付決定後に契約・発注してください。
- 他制度との経費の重複がないか確認する——同一の経費に対して複数の補助金を重複して受け取ることはできません。複数の制度を併用する場合は、各制度の窓口で必ず確認してください。
申請の進め方
- 現在取得している処遇改善加算の区分を確認する——毎月の収入に直結するため、上位区分へ移行できる余地があるか確認します。ICT導入が要件の一つになるため、ここから逆算してDXの優先課題が見えてきます。
- 山梨県ICT補助金の次回公募スケジュールを社協に確認する——公募前から相談しておくと、必要書類や要件の準備をスムーズに進められます。(山梨県社協 介護支援センター: 055-254-8680)
- 「賃上げ補助金」「人材確保等支援助成金」を別途検討する——ICT補助金と目的が異なる場合、同一事業者でも別経費で申請できる可能性があります。ただし重複の可否は必ず各制度窓口で確認してください。
- 施設整備は要望調査のタイミングを逃さない——地域医療介護総合確保基金は要望調査に手を挙げないと対象外になります。次年度の整備計画があれば早めに担当課に相談します。
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まとめ
山梨県の介護事業者が活用できる補助金・助成金は、ICT・賃上げ・人材確保・施設整備の4系統に整理されます。
- ●ICT導入なら山梨県の補助金(最大4/5・1,000万円)が最優先。補助対象の機器・ソフトの要件を事前に確認する。
- ●賃上げには全額補助の県単独補助金と、毎月収入が増える処遇改善加算の両方を確認する。
- ●処遇改善加算の上位区分取得にはICT活用を含む複数要件の充足が必要——まず現在の区分を確認する。
- ●交付決定前の契約・発注・支払いは補助対象外。申請手順を必ず守る。
- ●各制度の要件・公募状況は変わる。申請前に必ず公式情報を確認する。
ICT導入の優先順位や補助金の対象になるかどうかも含め、自施設のDX課題についてご相談いただけます。まずはお気軽にご連絡ください。

